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タマビ・ムサビの場合 - 要求している力と試験傾向 -




俗に言う「グラフ/多摩グラ」と「視デ」(グラフィックデザイン学科と視覚伝達デザイン学科)は、実技の試験傾向が全く違います。概略として軽くおさらいしてみましょう。

タマビ・グラフィックデザイン学科の場合

時間は5時間。
手と「何か」で想定デッサンが基本。
(本や石、レンガであったりと、単純に想定できるもの)


構成に凝らなくても大丈夫です。モチーフは手が入っていることから、自然なカタチを出すように構成してください(一番大事です!)おおよそで魅力的な構成だなと思ったら、あとは描きまくってください。全体感、描き込み、空間など、ポイントをキチンと押さえていれば、135点はしっかりいけるはずです。(16年度から150点満点になりました)

ダイナミックな構成や表現技法を使って勝負する人がいますが、ある意味賭けに近いです。(運が良ければ高得点ですが、課題違反などにつながり、描かれていても30点になったりします。)妙な勝負心を持たずに、あなたのデッサンの力を見せてあげれば十分です。


画面ですが、画用紙ではなくクレッセントボードに描きます。
クレッセントボードはザラついた画用紙と違い、表面が細かくサラッとしているので、こするとすぐに黒くつぶれてしまいます。また画用紙より堅いので、H〜3Hでも色がよくのるという少しクセのある紙質です。
私は鈍感なせいもあり、あまり気になりませんでしたが(笑)、人によってはかなり不快さを感じるらしいので、何回かクレッセントボードで試してみると良いですよ。
あと、B4くらいの大きさの鏡が渡されるので、アングルに困ることはないでしょう。

しかし多摩美デッサンは平面と同じく、教室に長机とイスが敷きつめられた所での卓上(机で描く)デッサンなので、離れて見ることができません。ちょうど高校の教室でデッサンするのと同じ環境です。やたら狭い!(ここのカテゴリ 01美大・美大受験を知る の冒頭のイメージとほぼ同じです)心してかかってください。予備校で一度「席を立たずに課題をやってみる」といいですよ!


この試験では、芸大とは違い100%正確なカタチをとることを目的にしていません。デッサンの高いレベルは要求しますが、ほかに「イメージを具現化する能力」を求めているため、150点を目指すには構成(ねらい)を完成させねばなりません。


15年度までの100点満点を一新して、16年度以降はデッサン・平面構成共に各150点満点です。
学科は英・国で各100点ずつ。実技に重点を置いた配点となりました。現役生が学科で合格するのを防ぐことにもつながりますね。デッサン力の勝負です。




ムサビ・視覚伝達デザイン学科の場合

時間は3時間。
工業製品での静物か想定デッサンのどちらか。

時間が短い上に、受験日が多摩グラ(5時間)のあとなので、気を抜くとやられます。
工業製品だとなかなか時間が足りないことが発生することがあります。理由として、モチーフ自体描く量の多いもの(例えば扇風機とか竹籠とか)だったりしますので、始めからエンジン全開で描くことが望ましいです。
この試験では、「完成しているか」のほかに、工業製品を出す理由でもある「カタチの正確さ」が問われているので、カタチを取る際には常に注意して疑い続けてください。

一方、想定デッサンですと、出された単純なモチーフを含めた想定なので、時間が足りないという事体にはいたらず、構成での勝負になります。モチーフが単純なので、描ける人は全員描ききってしまうため、個々の構成力に委ねられてしまうのです。


あと、武蔵美のデッサンはイーゼルがそれぞれ置かれていて、5〜8歩くらいは離れて見ることができます!時間は少ないですが、しっかり遠くから見て全体感も整えましょう!

教室によってはみんな動かずにいるシャイな所もあるようですが、そんな人は無視して、いつも通りにデッサンしましょう!ジャンジャン離れて、ガリゴリ描くのです!雰囲気に気を使うことはまったくありませんよ!


こちらは今も変わらず150点満点です。デッサン・平面構成は各150点 学科は英・国で各100点ずつ。実技に重点を置いた配点となっています。





ここでは2校しか取り上げませんでしたが、制限時間や静物・構成デッサンの違いはあるものの、基本的にどの美術大学も「基礎デッサン力+α(学校の方向性)」と考えていいでしょう。比率としても9:1くらいで、東京芸術大学以外では、方向性が重視されて合否が左右されるということはほとんどありません。基礎が身に付いており、完成度の高い作品が出せるのなら、問題ありません。合格点はいけると保証します。

そのため、〜年度実技試験参考作品集のようなものは、あくまで参考までに見ておきましょう。それが全てではありませんし絶対でもありません。(参考にならないことだってありますから)